養父母は虐待で訴えられた。しかし、二人のもとにはその時もまだ六カ月の乳児期から預かって育てている女児がいる。知的障がいがあるが小学校の通常学級に在籍していた。
お母さんは彼女を育てる権利を奪われないためと、里親としての名誉のため、彼への虐待は誇張と捏造があるということを裁判に訴えていきたいと必死に語った。
それで今、いろいろな方面の知り合いに、私達(養父母)が彼に対してどのように接してきていたか証明する文章を書いてもらいたいと依頼しているとのこと。
こばとにもお願いできないだろうか、というのが突然の電話の理由だった。
私は即座に養父母に協力することを承諾した。
養父母達が遠方からの送迎を厭わず、熱心に彼を療育に通わせていたこと、彼が作文に書いた家族旅行の思い出や療育時代の連絡帳のやりとりなど、残っている記録からまとめて文章にした。
彼と養父母が接する場面でも、おどおどしたり、おびえたりする様子はなく、普通の親子の光景だった、というようなことをも書いてお母さんに送った。
裁判の結果や、名誉が回復できたのかは聞かなかったが、養女が小学校高学年の時、電話をもらった。
試し読み連載は今回で最終回です。ご愛読ありがとうございました。
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