【前回記事を読む】「年だから仕方ない」いいえ、心身の衰えは改善できます。「フレイル」を予防して、健康寿命を伸ばすためにすべき事とは……

第1章 フレイルとは?

1.1 フレイルの定義とその意義

フレイルとは何か?

2014年、日本老年医学会はフレイルを「加齢に伴う生理的予備能力の低下により、ストレスに対する回復力が低下し、生活機能障害や要介護状態に陥りやすくなった状態」と定義しました(図1-2)。

簡単に言えば、通常なら耐えられるような些細なストレス(たとえば風邪をひいたり、転んだり、家族とトラブルになったりすること)に対精神機能して、心身が対応しきれなくなり、急激に健康状態が悪化してしまう状態を指します。

この「予備能力の低下」こそが、フレイルの本質です。人間には、疲労や病気から回復するための「予備的な力(レジリエンス)」が備わっています。若い頃はその力が十分にあり、多少の無理をしてもすぐに元気を取り戻すことができます。しかし、加齢とともにその回復力は少しずつ、目に見えない形で減少していくのです。

フレイルとは、こうした“見えにくい変化”を可視化し、適切なタイミングで対策を始めるための重要な概念と言えるでしょう。