草の根を岩根をつかみ尋ぬれば
奥山にかかる滝のとどろき
人を見て鳴きつのる猿はらはらと
梢の団栗ゆすり落とせり
そよぎたつ青田の果てに鳥海山
斑の雪を被きかがやく
“忘れえぬ旅をまたひとつ三十一文字に封印す”
――日本の面白さに旅装を解く暇もない
最果ての無人駅から、南の島の潮の香りまで、まだ見ぬ土地に想いは募る。
尽きせぬ思いが豊かな旅情を誘う、味わい深き歌の数々を連載にてお届けします。
草の根を岩根をつかみ尋ぬれば
奥山にかかる滝のとどろき
人を見て鳴きつのる猿はらはらと
梢の団栗ゆすり落とせり
そよぎたつ青田の果てに鳥海山
斑の雪を被きかがやく