マンションの囲む畑の葱坊主
忘れ形見のやうに立ちつくしたり
天守閣の扉はひらかれておほどかに
裾をひろげし岩木山にまむかふ
*岩木山 標高千六百二十五メートル。津軽富士とも呼ばれる。
山おろす嵐の音のはげしさに
一木ゆらげる桜開花す
四季がある日本は移ろいやすいのだろうか。
行き交う人々の心や街の景色は千変万化で、過去はさらに記憶の彼方へ押しやられてしまっているかのよう。
だが、南の島々には、あの戦争を経ても変わらぬ日本の心が残されていた。
過去と現在、時間の結び目を探しながら、日本古来の清き明き心を見つける旅の歌短歌集を連載でお届けします。
マンションの囲む畑の葱坊主
忘れ形見のやうに立ちつくしたり
天守閣の扉はひらかれておほどかに
裾をひろげし岩木山にまむかふ
*岩木山 標高千六百二十五メートル。津軽富士とも呼ばれる。
山おろす嵐の音のはげしさに
一木ゆらげる桜開花す