Commercial Bank(商業銀行)のPortion(持分)は、全体のファシリティー(ローン金額)のうち1億ドルだけだったので、CITIと5,000万ドルずつと、引受金額としては大した額ではないし、MITI保険付なので、Market Tapping(市場調査)の反応からも、Net Take(最終引取額)それぞれ2,000万ドルずつまでシンジケーションを組んで落とすことは難しくないと説得を試みた。

当時、中南米債権のリスケ(返済繰延)が多く、会長のジョン・リードが強力に中南米エクスポージャー(向け債権額)の縮少と資産積増回避策を進めていた頃であった。

我が行だけで引き受けてシンジケーションにかけるという手もあったが、見映えも悪いし、市場がどう受け取るか、見通しも利かない。

「チリ国がもはや投資非適格国ではなくなったこと、MITI保険が付くことで、80%は同国エクスポージャー(向け債権)とカウントしなくて良いこと、それに何より、本件の優良な経済性、我々にとっての収益性等等、説明して何とかならないのか?」と、かなりきつく問詰めてしまったらしい。

私自身も相当慌てていたし、思い入れも強かったのである。

「何時もの調子で行内でも適当なことばかり言っていたので、信用してもらってないのでは?」と言ってしまった時、クリスは怒ったのか、諦めたのか、ボーイを呼んで支払いをすると、呼び止めにも応えず黙って出て行ってしまった。

後悔しつつも、片やあまりの一方的な事情に憤りを覚えつつも、溶けた氷で薄まったシェリーを飲み干して、夜風に吹かれながらフェリーでハドソン川を渡り、HobokenからのNJ Transitの列車に乗り、駅の売店で買ったジンファンデールの小瓶とポテトチップスで飲み直しながら、あれこれ考えを巡らせつつ自宅のあるGlenrockまで戻った。

駅に停めた車で、路上に積もった落葉に車輪を掬われぬ様慎重にハンドルを切りつつ、家に着く頃にはかなり廻っていたが、“まあ、正論で押すしかないな”との決心は付いていた。


(1)サンティアゴに拠点を持つCITIがチリのカントリーリスクと資金のやり取りを管理する役割を、M物産を中心としたOff Takeの動向をモニタリングし、且つMITI保険を管理する役割をF銀行が、互いに分担し、Co Agentとしてタッグを組むこととした。

 

👉『「もう時効?」昭和から平成の”限界的金融界”裏話』連載記事一覧はこちら

【イチオシ記事】「凄いイケメンくんだ…ちょっと想像以上だわ」肩から少しずつ脱がされ、身体を重ねるような密着マッサージがはじまり…

【注目記事】不倫夫と離婚して1年。男性なんてと思っていたのに、初めて触れられた。「手を出して。柔らかいな、気持ちいい。」と言われ…