【前回記事を読む】各筋肉に対応したニューロンが運動野にあるという「筋再現説」は間違っていた!? その後登場した「運動再現説」とは

I 動きと意識のダイナミクス

第一次運動野

しかしその後の研究で、運動野の一つのニューロンだけではなく、複数の運動野のニューロンが、同じ運動を引き起こすことがわかり、運動野のニューロンと筋肉の動きとの関係も、1対1の関係ではなく、より複雑な対応関係となっていることがわかった。

最近では「筋シナジー」という考えが主流となっている。

「シナジー」とは、自動性を前提とする定性的な複数の筋収縮パターンのことである。

ふだんの文脈的な運動の機能は、前頭前野、補足運動野、運動前野などの高位機構におけるストラテジー(運動戦略)に関係しているが、

運動野の神経細胞は中位機構として、それらの文脈的な運動を構成する、いわば要素的な筋収縮パターンに関係し、それが「筋シナジー」に対応しているのではないかと考えられている。

運動前野の機能

運動前野は頭頂連合野から視覚情報を、側頭連合野から聴覚情報を受け取っている。

運動前野は背側運動前野と腹側運動前野とに分けられる。

背側運動前野と腹側運動前野とでは、頭頂葉の異なる領域から入力されており、背側運動前野は頭頂連合野の前方にある上頭頂小葉から、腹側運動前野は頭頂連合野の後部領域の頭頂間溝後壁から強い入力が認められる。

運動前野は主に視覚情報や聴覚情報に誘導される運動に関与しているとされる。