背側運動前野と連合形成
視覚などの感覚情報と動作、行為とに新たな対応関係をつくることを「連合」という(1)。
感覚と遂行すべき行動は任意(自由意志で決める)の関係にあり、行動条件と行動の組み合わせを学習して従うということになる(2)。
連合形成によって成立した、感覚情報と動作、行為の組み合わせは、われわれの日常生活でルールや規則として頻繁にみられる現象である。
たとえば赤信号を見たら車を止める、青信号では車を前進させるという行動は社会的なルールに則っている。食堂で食べ終わったら食器を下膳するとか、人とすれ違ったら頭を下げてあいさつするとか、空いたイスがあれば座るとか、ボタンがあれば押す、着信音で電話に出るなどたくさんある。
背側運動前野はこの感覚情報と動作、行為の連合が行われる場所である。
また実際に視覚情報を確認しながら、つまり見ながらではなく、「抽象的な行動ルール」に従った行動調節にも背側運動前野は関与している。
たとえば友人からの電話で、部屋の玄関の右側においてある書類を持ってきてくださいと依頼された場合(その時点では書類は見えていないので具体的な視覚情報というより抽象的な情報となる)、その部屋の玄関に入って右側にある書類を見つけて(視覚情報)それを手に取るというというような行為の遂行にも関係していると考えられる。
何らかの感覚情報に対して行動選択を行う行動課題において、背側運動前野には可能性のある複数の運動プログラムが並列に準備されていて、そこから一つの運動プログラムに特定されるとそれの準備状態となるとのことである(2)。