【前回の記事を読む】「これは、デートだと思っていいでしょうか」そう言って、彼は少し恥ずかしそうに私を見てきた。私の心臓は大きく波打ち…

訳アリな私でも、愛してくれますか

「そっか~……私が勝手に、バカにされるって思い込んでただけなのかな」

「かもしれない」

「小学校の頃は男子みんなに言われたんだけどな。ブスなのにアイドルに憧れてんのかよ、って」

「理子はブスじゃないよ」

「ありがとう。けど、そう言われたのは事実だもん。だから、ずっとトラウマだったのかも。でも……確かに、好きなものはちゃんと好きだって胸を張って言いたいよね……」

理子は話しながらも何か深く考え込んでいるらしい。言葉がとぎれとぎれになる。

「私が彼女たちを好きなのを隠してたら、彼女たちもうれしくないよね。そうだよ、私何してたんだろ……本当、最悪だ」

「いいと思うよ、そのことに気づけたんだから。もうこれからはじゃんじゃん布教して、彼女たちに貢献してあげようよ」

「うん。そうする。ありがとう、くるみ」

「ううん、それよりさ、その豊橋君?って子のこと、気になってるの?」

「まさか! ただの同期だよ。あの人、他人に興味ないもん」

「そうなんだ。理子がそういう男の子の話するのって珍しいな~って思って。気になっちゃった」

「私はそういうのないから! ね、それより、くるみこそどうなの? そのランチの人と」

「うーん、今度……一応、デートに行こうって……」

「デート!?」

「そう。デートって……ランチ友達が行くもの?」

「いや、違うでしょ。それって、向こうがわざわざデートだって言ってきたの?」

「そう。僕はデートだと思ってるんですけどダメですかって」