・50代、60代
薬物治療が有効で、生活改善に取り組むことでほぼ1回以内を達成できますので、時々休薬する方もおられます。この世代では、膀胱や前立腺の柔軟さがまだ残っており、活動水準が高く、生活が規則的であることが夜間排尿回数の少なさに寄与していると考えられます。

・70代
この年代は前立腺肥大の成熟や膀胱の疲弊を伴いやすく、治療無しでは回復力が低下しますが、治療継続によって改善が期待できます。年齢が進むにつれて体力や回復力の低下が見られるため、生活指導を徹底する必要があります。

・80代以上
生活指導の徹底が難しくなる患者が増え、この時点では80代後半から治療抵抗性が強まる傾向が明らかでした。なおこのグラフの年代構成は、50代3%、60代15%、70代49%、80代29%、90代3%で、70代が中心でした。

〈当時と現状の比較〉

このグラフの時から約5年が過ぎましたが、現在の男性高齢者に関する前立腺肥大症、過活動膀胱の通院実数をまとめたところ、2024年11月、12月では、50代1・5%、60代18%、70代38%、80代37%、90代5・5%となりました。特に80代の増加が著しく、高齢化が進んでいます。

このように現時点では、80代前半の患者が最多となりつつも、治療効果も改善傾向にあります。夜間頻尿回数が1・5回以内の80代後半の高齢者がかなり多く通院されており、元気な高齢者が多い印象です。