② みんなで考えよう

「みんな集まって!」

という先ほどのAくんの声で子どもたちは黒板の前に集まりだしました。

「あのね、分数同士の足し算は分母を通分して分子だけを足したら答えが出たでしょう。たとえばさっきと同じ分数を使うとすれば、

『 3/4 + 2/3 = 9/12 +8/12=ここで分子だけを足すから(9+812)/12 = 17/12 』です」

集まって説明を聞き始めた子どもたちは、

「4年生でやったから分かるよ。いや、3年じゃなかったっけ」

などと言いながらAくんの考えを聞いています。Aくんは続けます。

「それは引き算のときも同じでしたよね。分母を通分して分子だけを引いたのです。ここでもさっきと同じ分数を使うとすれば、『 3/4 - 2/3 = 9/12 - 8/12 =(9-812)/12 = 1/12 』です」

子どもたちは「これも分かる」「ここまでなら分かるよ」と言っています。学習は同じ土俵に立って進めることが肝要です。

ですからみんなが納得するような考えで進めるようにしています。

そのためには『みんなが知っている筈のこれまでに習ったことを使って今ある新しい問題に挑戦する』ことが基本になります。次に先ほどは分からない側であったBくんが手を挙げます。

「そういうことを考えていくなら、分数同士のかけ算は分母を通分なんかしなかったよ。そのまま分母は分母同士で分子は分子同士をかけて答えが出たでしょう。同じ分数を使うとすれば、『 3/4 × 2/3 = 3×2(分子)/3×4(分母)=これを約分してしまえば 1/2  』です」

みんなは「おお、そうだった」「そこまでなら分かるよ」などの声を発しています。