【前回の記事を読む】「分数の割り算、逆数をかけるのはなぜ?」⇒小学6年生が示した証明は…

第一章 高学年の子たちと~分数から命の授業まで~

3. 逆数とは? 友だちとは?「深く理解したい子どもたち」

私「この勉強はまだ習っていないことなので知らなくても気にすることはありません。質問はありませんか」

児童B「Aさんと、今いいですと言った人たちに聞きます。なぜ逆の数にするのですか? なぜ割り算なのにかけるのですか」

児童多数「う~ん、そういえばそうだよなあ」「塾で、そうやるんだって習ったからなあ」「お母さんもそうやると言っていたけど、なぜなのかは教えてくれなかった」

私「以前もこういうことがありましたね。このやり方はこうですよと先生から聞きたいですか、それとも自分たちで“どうしてなのか”を考えてみますか」

児童全員「自分たちで考えてみる」「時間をください」

というわけで子どもたちはこの難問に挑戦です。クラスの決まりごととして、自分たちで考えると言ったときはクラス全員が『分かった』と言うまでは分かったことにはしないことになっています。

さっそくノートにいろいろな数字を書いている子がいます。2人・3人と集まっては相談している子たちもいます。グループは自然発生的です。

児童が主体的に活動することに対して私はなんの指示を出さなくても学習は成立していきます。