【前回の記事を読む】「いつまで逃げ回っているんだ」姉の一言が人生を変えた!話せなかった少年が教師になり"寄り添った教育"を目指す
第一章 高学年の子たちと~分数から命の授業まで~
2. 分かったら廊下に出る? できる子にも個別指導
② 教室に戻って全体で勉強が開始される
ある程度の時間が経ち、また教室にいる子も理解できた頃に、「さあ、教室へ入って」と呼びかけます。そうすると発表です。
「はい、発表してください」との声で一斉に手が挙がります。すると早く廊下へ出た子たちは、「あ~あ、こんなにいるのか」と、がっかりすることが少なくありません。なぜなら遅く廊下へ出たグループから指名されることになっているからです。
もう少し詳しく説明します。廊下から教室へ戻ってくるときには、一番早く立ったグループは一番後ろに座り次のグループはその前というように座る席が決まっています。発表の時間に複数グループが手を挙げた場合は、遅く教室を出た子から指されるという指名制度にしていました。教室で私に個別指導を受けた子が手を挙げていたらその子が一番です。
そのため1番のペアはなかなか発表の順番が回ってきません。やっと順番が来たというときには全ての解き方を発表されてしまっていることがよくあります。ですから発表をするためにはさまざまな方法を考えておかなければならないのです。
よく“できてしまった子はただ遅い子を待つだけ”で退屈しているという授業を見ることがありますが、私はどの子も頭を休める暇がないようにしたのです。