【前回の記事を読む】老化を遅らせ、病気を早期発見する「健康長寿CAPDサイクル」とは? 無駄なく健康に投資する方法を解説
パート1 ベースとなる健康マネジメント
健康をつくるCAPDサイクル
パート1「ベースとなる健康マネジメント」の重要ポイントまとめ
〈寿命を延ばす思考術〉
1. 平均寿命が延びても、自分が長生きするという保証はありません
2. 病気などで最期が現実味を帯びてくるまでは、自分の死についてあまり考えないものです
3. 寿命は大きく「運」に左右されます
4. 投資によって健康寿命を延ばすことは、医療費を抑えることにもつながります
5. 誤った情報を信じて投資をすると、効果がなかったり、健康を害したりするリスクすらあり得ます
パート2 寿命を延ばすスタート地点 「診断」
まずは全身のチェック
寿命を延ばす投資術の取り組みを始めるための最初のステップは、自分の現在の健康状態を理解すること、つまり「CAPDサイクル」のCheck(評価=診断)になります。
これには、あなた自身が年齢に見合った健康を保っているか、あるいは実際の年齢よりも老化しているかを診断することも含まれます。実際の年齢より若く見られることがあるだけでは健康を約束することにはなりません。
外見が若くても、遺伝子の変異によって引き起こされる疾患の発症リスクは存在します。また、口から始まり肛門まで続く消化管も、厳密には体の表面です。皮膚がんなど目に見える表面の病気よりも、食道や胃、腸などの目に見えない「表面」の病気のほうが圧倒的に多いのです。
したがって、体の内側も日常的に観察できれば、小さな病気も見逃すことは少なくなるでしょう。胃カメラなどの内視鏡検査はその「目に見えない表面」を直接観察する手段です。ここが寿命を延ばすための投資ポイントになります。
病気の早期発見には、精密健康診断(通常の人間ドックより項目が多い健診)がとても有効です。最近では、AIを用いた診断支援技術を搭載した内視鏡も開発されており、熟練医師の診断を補完して、膨大なデータに基づいて学習したAIが小さな病変を見つけ出すのを助けます。
ちなみに、鎮静剤を伴う検査の導入や下剤の改良により、内視鏡検査の不快感は近年大幅に緩和されています。多くの人が内視鏡検査を辛いと感じるかもしれませんが、冷やした下剤は場合によってはスポーツドリンクのように美味しく感じられる(個人差があります)こともあります。