はじめに
本書を手にされた方は、おそらく自分があと何年生きるかを少なからず気にされていることでしょう。平均寿命が年々延び、日本は世界屈指の長寿国となりました。
しかし、平均寿命が延びても、自分が長生きするという保障はありません。健康なうちは、自分の健康をあまり意識しないのが人間です。
病気などで最期が現実味を帯びてくるまでは、自分の死についてあまり考えないものです。
しかし、筆者を含め、読者の皆さんにもいつかは必ず人生最後の日が訪れます。いつかは最後の一息を吐き、心臓は最後の鼓動を打つのです。
人類の最高寿命はおおよそ120歳前後で、今後もしばらくは延びることはありません。少なくとも、我々が生きている限りはないでしょう。
ただし、寿命を限界まで延ばすことは今の生命科学の進歩によって可能となりました。
しかも、ただ寝たきりの状態で生き延びるのではなく、健康な身体を最期まで維持する『健康寿命』を延ばすことも不可能ではありません。
本書では、寿命を延ばすための健康への投資戦略を紹介します。もし株式や投資信託に投資している余剰資金があれば、その一部でも健康に投資した方が絶対に人生得をすると考えます。
有価証券の含み益をいくら多く得ても、回収する前に死んでしまっては意味がありません。
投資が満期を迎えて、それをのんびりと余生で使う人生設計には健康への投資が欠かせません。
本書で最も伝えたいのは、皆さん自身の健康と寿命について、自ら積極的に取り組むことがいかに大切かということです。