⑤妙子、高校生になる
《環境》
高校
私は町にある小さな高校に進学をしました。中学3年生での同級生は色んな高校に行き、3分の1程度の人数になりました。他の中学校から進学してきた人もいました。
私にとっては人数の少ない学校の方が精神的に楽でした。この人はこんな性格、あの人はこんな性格と分かっていた方が安心できました。
《友達》
幼馴染の遥奈とあすかは私とは別の高校へ進学しました。私は聖子、香澄、光とはクラスが別になり、同じクラスの小室杏(こむろあん)と七瀬愛香(ななせあいか)と友達になりました。
杏は眼鏡女子(めがねじょし)でした。成績はトップクラスで、隠れ美少女でした。体型は細く華奢(きゃしゃ)で一見性格もか弱く見えがちですが、実はすごくメンタルが強くて肝っ玉が据わっていました。後に、私の学校生活を支えてくれるお世話係の役目をしてくれました。
愛香は笑い上戸なので、いつも男子は愛香を笑わせようと事ある毎にボケていました。愛香は大抵のことで大爆笑でしたが、愛香にとって面白くないと感じた時はクールで、全く笑わなかったのが男子にとっては逆に良かったのでしょう。性格はこざっぱりしていました。私も愛香に笑ってもらうことが好きなうちの一人でした。
私はイタズラ好きな面もありました。高校生になると変顔をするのがマイブームになりました。杏と愛香は優等生でした。私はこっそりと授業中に二人にしか見えないように変顔をしていました。杏と愛香は必ず吹き出して笑ってしまい、優等生二人の突然の笑いに授業をしている先生はポカーンとした顔をしていました。
先生が振り向く前に私は何事もなかったかのように黒板の文字をノートに書き写しているようにしていたので、二人だけが先生に軽い注意を受けていました。それが楽しくて止められませんでした。特に杏には色々なイタズラをしかけていました。
大人になってから杏と高校時代の話になると「高校生時代の妙ちゃんのずるい顔しか記憶にない」といつも言います。
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