5「利益の本質」を踏まえた経営計画
企業が長期的に安定した成長を遂げるためには「利益の本質」を理解し、それを基にした経営計画を立てることが重要です。ここでは、経営計画の立案手順を説明します。
経営計画の立案手順
①「顧客想定利益」の数値化
経営計画を立案する最初のステップは、自社の状況や統計資料を分析し、「予測限界利益」を考慮して「顧客想定利益」を数値化することです。この数値化により、どれだけの利益を目指すべきかを明確にします。
②適正化された「立替金の支出(費用)」の算出
自社の実際の「立替金の支出(費用)」から、恣意的な支出や特殊要因(減価償却、保有資産、節税投資など)を排除して、適正化された「立替金の支出(費用)」を算出します。これにより、実際のビジネス運営に必要な真のコストを把握します。
③「経営計画売上高」の算出
経営計画における売上高を計算します。これは、次の式で求められます。「経営計画売上高」=適正化された「立替金の支出(費用)」+「顧客想定利益」変動費がある場合は、変動費比率を考慮して次の式を使います。
「経営計画売上高」=(適正化された「立替金の支出(費用)」+「顧客想定利益」)
(1 (変動費比率:変動費 売上高))
もしこの「経営計画売上高」の達成が困難な場合、企業の「立替金の支出(費用)」が競合他社と比べて高いか、もしくは売上や顧客の増加による費用の効率化ができていない可能性があります。この場合、「立替金の支出(費用)」の低減や効率化を実行する必要があります。
④「経営計画利益」の算出
最後に、「経営計画売上高」から実際の「立替金の支出(費用)」を差し引いて「経営計画利益」を算出します。これは、次の式で求められます。
「経営計画利益」=「経営計画売上高」 実際の「立替金の支出(費用)」変動費がある場合は、変動費比率を考慮して次の式を使います。
「経営計画利益」=「経営計画売上高」×(1 (変動費比率:変動費 売上高)) 実際の「立替金の支出(費用)」