【前回の記事を読む】「綺麗だ」バスタオルが落ち、丸裸になった私を彼は抱きしめた。「抱いていいかい?」手を引かれ、そのまま寝室へ行き…
第一章 辛い結婚生活
朝、いつものように、席に着いた。
「どうした? 香子、妙に静かだな」
顔が、赤くなっているのが、自分でも分かった。
「だって、昨日、あんな事、こんな事、そんな事、したから、丈哉さんの顔を見るのが恥ずかしい! 丈哉さん変態なのかなと思ったんです」
丈哉さん、コーヒーを吹き出しそう。
「アハハハハ、そうかぁ~。僕は最高だったよ。香子は?」
昨日から私の事を香子と呼んでいる。嬉しい。
「私、初めてです。セックスがこんなに気持ちがいいって。痛い事しか記憶にないのです。丈哉さん、朝ですが、私の話をしてもいいですか?」
「聞きたい! 話して」
「ありがとうございます。ここ片付けましょうね」
食器をお台所に下げた。
「わたしもこちらでコーヒーを頂いてもいいですか?」
「いいよ。早く話して」
「私は板橋区で生まれ、家族は祖父母、両親、兄、姉。銀行勤めです。何故か私も必ず銀行に就職するように言われて、しょうがなく銀行に就職しました。十年勤め、三十二歳の時、お見合いで二つ上の方と結婚をしました。