好きとかではなく、相手が公務員なら仕事を辞めて主婦が出来ると思い、お受けしました。姉がそうだったから。ところが、お姑さんに仕事を続けるように言われて、とても悲しかったです。
その方はセックスが好きじゃないようで、月に一度、排卵日に行うのです。それが痛くて痛くて、排卵日が怖かったです。それが九年続きました。四十一歳の時、生理が四か月無くて、もしかしたら待ち望んでいた赤ちゃんが出来たかと思ったんです。
そして産婦人科に行ってドクターから……『閉経です』と言われ、頭が真っ白になってしまいました。主人とお姑さんに話したら、一か月後に義母から、離婚してほしいといわれました。私はしょうがないかなと思い『分かりました』と答えました。去年、離婚をして、ついでに仕事も辞めました。
誰も知らない町で人生の再スタートをしたくて、この近くをあてもなく歩いていたのです。近くのカフェで休んでいた時、採用の張り紙を見てドアをたたきました。
あの時は、強引に面接をお願いしましたね。私にこんな勇気があるんだって驚きました。でも本当に良かったです。丈哉さんに会えましたし、仕事が凄く楽しくてお給料も頂いて幸せです。昨日は、人生初のイクッという事を知りました」
丈哉さん、コーヒーカップを落としそうです。
「だって、丈哉さんがした、あんな事、こんな事、そんな事は初めてでした。でも最高に気持ち良かったです。初めて知りました。ありがとうございました。お願いがあります……私にも丈哉さんが気持ちよくなる事を教えてください」
両手で顔を隠している。
「雇用条件を変更します。今日から土曜日、日曜日、祝日は休みで僕の側にいてほしい。どうかな?」
「嬉しいです。丈哉さんの恋人と受けとっていいのですか」
「そうだ! 結婚を前提に正式にお付合いしてほしい。そして、いつもあんな事、こんな事、そんな事をたくさんしたい!」
「ええッ! 丈哉さん、少しエッチっぽい。でも……嬉しいです。雇用関係はそのままでいいですか?」