【前回の記事を読む】「競争のために価格を下げざるを得ない」などと考えがちですが、これらは経営の問題を隠す言い訳に過ぎません。―「立替金」から考える新しい会社経営
第2章 利益の本質とその再定義
3 「立替金の視点」が欠けていることによる問題
「立替金の視点」を欠いていると、企業は次のような問題に直面します。
①経営の不透明性:経営の実態が正確に把握できないため、戦略の誤りや資金繰りの問題が発生しやすくなります。
②誤った意思決定:明確な数値に基づかない感覚的な判断により、利益を損なう方向へと意思決定を行ってしまうリスクが高まります。
③価格戦略の失敗:お客様を喜ばせることを優先するあまり、価格を下げすぎてしまい、結果として「立替金の支出(費用)」を「立替金の回収(売上)」でカバーできないという事態に陥ることがあります。
4 利益を最大化するための視点
「立替金の視点」を用いることで、企業は利益をより効果的に最大化するための戦略を立てることができます。
これは、企業の収益性を高めるために重要な視点であり、適正な利益を確保するための基盤となります。
企業は、利益を上げるためにはただ価格を下げるだけでなく、付加価値を提供し、顧客との関係性を深めることで、収益を増やすことが求められます。
「立替金の視点」を持つことで、企業は経営の全体像を正確に把握し、適切な価格設定と収益性の維持を行い、持続可能な成長を遂げることができるのです。