4-2 二つ目の視点 顧客想定原価の最大化
二つ目の視点は「顧客想定原価」の最大化です。
この視点では、企業が提供する商品やサービスの価格設定を効果的に行い、売上を増加させる方法について考えます。
「立替金の回収(売上)」は、次の2つの要素から成り立っています。
①「顧客想定原価」:これは、お客様が企業の商品やサービスの提供を受けるために、企業が立て替えたと想定する金額のことです。
言い換えれば、お客様が「この商品やサービスにはこれだけのコストがかかっているはず」と感じる金額です。
②「顧客想定利益」:これは、お客様がその商品やサービスに対して、「顧客想定原価」以上に支払っても良いと感じる追加の金額、つまり企業の利益部分を指します。
これら2つの要素の合計が「立替金の回収(売上)」となります。算式で表すと、
「立替金の回収(売上)」=「顧客想定原価」+「顧客想定利益」となります。
「顧客想定原価」の最大化とは、単に企業の「立替金の支出(費用)」を増やすことではありません。企業が事業を継続するためには、技術の向上や設備の更新などへの投資が必要不可欠です。
また、競争が激しい市場で競合他社と競い合うためには、これらの投資は競合他社と同等か、それ以上であることが理想的です。
そのため、将来の投資額も考慮に入れて、お客様には「顧客想定原価」をしっかりと感じてもらうことが重要です。
これが「顧客想定原価」の最大化です。こうした必要な「立替金の支出(費用)」を正しく「立替金の回収(売上)」として回収することで、企業は長期的なビジネス運営を安定化させることができます。