巨大な資金は「他人のお金」

大企業が慎重な意思決定をせざるを得ない根本的な原因がもう一つあります。大企業は基本的に他人のお金を使って経営されている、ということ。これは重要な事実です。

「大企業にはお金が多くあって、スタートアップにはお金がない」。これが一般的なイメージです。もちろん、本当のことですし、特に初期のスタートアップにおいて、資金を気にかけずに活動できることなんて夢の世界です。

基本的にスタートアップは、自らの生活のための報酬・資金を確保しつつ、自己資金による投資から事業創りを開始する必要があります。難しい局面ですが、ここを乗り越えなくては前に進めないのです。一方、大企業の事業創造担当は、前述の「夢の世界」を前提に活動を開始できます。自らの生活を心配する必要がまったくありません。

ただ、大企業が持つ多額のお金は他人のお金であり、額はさておきスタートアップが持つお金は自分のお金です。

自分のお金であれば、事業創造初期段階の何の根拠も実績もない時期であっても、自己責任を前提に、自らの直観に任せてお金を使うことができます。そもそも、スタートアップは投資し事業を創らなければ自身の存在目的を満たすことができないので、積極的な投資が是とされるのも当然です。

 

👉『大企業×事業創造の神髄』連載記事一覧はこちら

【あなたはサレ妻? それともサレ夫?】「熟年×不倫」をテーマにした小説5選

【戦争体験談まとめ】原爆落下の瞬間を見た少年など、4人の戦争体験者の話を紹介