「気診」ができるようになる修行の一つとして、「気診」の気に合わせた呼吸法を行います。私たちは坐禅と呼んでいますが、呼吸法によって自分の気を調えることができるので、「気診」の訓練はグループで行う方がうまくいきます。

「気診」の気といっても目に見えるものではありませんので、呼吸を合わせる必要があるからです。「気診」のできる人と一緒にいると、気がとらえやすくなります。

これを同調すると言います。同調がうまくできると、身体の周囲の気が外に向かって発信を始めます。これを「気診」では身体反応が出ると言います。この状態になることこそ、「気診」ができる最低条件と言えましょう。

「気診」は、言葉で伝わるものではなく、方法を覚えたから誰にでもうまくできるというものでもありません。

そして気功の手順を追っても、同じ効果が出せるとは限りません。したがって「気診」の気そのものをつかむことは、人から人への伝播によってのみ伝えられるものと言えるのです。

さらに、頭でばかり考え、知識にとらわれていると、先入観が邪魔をして「気診」はうまくできません。

身体の力を抜いて、素直な気持ちで、筋肉の緊張・弛緩をとらえることに集中することが大切です。

また物事をあるがままに見ることや、集中力を上げることも大切な修行になります。

自分の枠をはずし、今見えているものだけにとらわれず、外側にはもっと広い世界が広がっているという意識で物事を見ることが、「気診」ができるようになるための重要なポイントです。

 

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