「権力トーナメント」の主宰者になる
権力者でなければ人は去っていく。そうなれば、せっかく作った取り決めも廃れていくのではないか、そんなことも考えたであろう。確かに、権力者の地位に留まれば人は寄ってくるし、決まりも守られるだろう。ただ、権力がなくても、寄り添ってくれる人、自主的にサポートしてくれる人もいる。
問題なのは人格の質であろう。高潔な人格者を育成すれば、周りに人が寄ってくるのではないか、と一瞬思う。ただ、天皇とて人間、高潔な人格を未来永劫にわたって求めるのは無理である。また、振り出しに戻る。
そんなことを色々考えながら、ふと思い付いたのが「権力トーナメント」に参加せず、トーナメントの主宰者になることであった。今はたまたまトーナメントの最高峰に君臨しているが、強敵がいつ現れるか分からない。現に、自分自身が血で血を洗う生々しい現場を通り抜けてきた。
物部氏が滅ぼされ、その領地・領民を蘇我氏と聖徳太子の上宮家で分け、その上宮家は蘇我氏によって滅ぼされ、その蘇我家を中大兄が滅ぼし、その際には自分も兄を助けている。そして、兄は領地・領民を手に入れた。それを受け継いだ大友皇子を自分が討ち、今は最高点にいる。
ただ、いつまでこの地位に留まれるかは分からない。私が安泰だったとしても、子々孫々の代までの安泰は保障されてはいない。
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