八、村の子供たちから関西弁とランドセルでいじめられた

「正夫。どうした。何かあったのか?」と祖父が心配そうに話しかけた。我慢できず、「おじいちゃん」と言って、わんわん泣きながら祖父に抱きついた。

「泣いていては分からん。何があったか、ちゃんと話しなさい」と祖父が言った。「ぼくな。みんなにいじめられて自転車を田んぼの中に放り込まれたんや。ぼく、学校も遊びに行くのも、もういやや。いじめられてばっかりや」とさらに大声で泣き崩れ祖父の胸にもたれた。

祖父は、暫く黙って優しく背中をさすってくれていた。そして、登校中も教室でもいじめられていたことも初めて話した。祖父は既に見抜いていたようだった。

「正夫。そうか。よう話してくれた。おじいさんはな。お前の味方や。安心しなさい。胸にもたれたままでは話しにくいから、おじいさんの前にちゃんと座りなさい」と言われ正座させられた。泣きながら祖父の話を聞いた。

「いいか、正夫。よく聞きなさい。お前がいじめられているのは、お前の顔や性格が悪いからではない。お前はなんにも悪くない。みんなは、今まで聞いたこともない聞きなれない言葉がおかしくてからかっているだけや。