【前回記事を読む】大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で話題に! 奥多摩の霊峰、御嶽山を登る。山岳信仰を集めた神域の雰囲気に期待し、宿に入ると...

神座す山

この近くの宿坊の先先代の主人は当時、御嶽神社の宮司で、西望と懇意だったことから西望が文化勲章を受章した年、神社に所縁のある重忠の像と神社のシンボルの対の狼像の製作を依頼したのだ、ということであった。

その宿坊とはまさに私が宿泊した「御岳山荘」だった。 

今回秋空も紅葉も美しい御嶽山で、浅田次郎が書いた神域の不思議の万分の一位に私も触れられたのだろうか。

根岸の里の

 

上野恩賜公園のさくら通りを抜け動物園の方向に歩く途中に小さな草野球場がある。

入り口に正式名「上野恩賜公園正岡子規記念球場」の名が掲げられたここで、まだ病が進んでいなかった頃、子規が捕手として草野球を楽しんだことが彼の随筆中にある。

本名の「のぼる」に因んで雅号を野球(の・ぼ・る)にしたことさえある子規はかなりの野球好きだったことは有名だ。球場の前には子規の句碑が建てられている。

春風やまりを投げたき草の原 子規

球場を過ぎて、東京国立博物館の前を右に曲がり、少し歩けばJR鶯谷駅で、そこから坂を下った辺り一帯の地名が根岸である。