生地が全体的に薄く、透けて見えてしまうため、その上からさらに覆布をかけないと患者さんが非常に恥ずかしい思いをしてしまうようなものでしたが、医療スタッフ側からすると検査はできるので十分だと考えられていました。

しかし、現場で患者さんの声に耳を傾けると、恥ずかしいから改善してほしいという声が多かったのです。

既存品のパンツでは、かがむと肛門部分のスリットが大きく開くためおしりが見えてしまうことにも、抵抗感があったようです。

また、大腸カメラの前には前処置薬として下剤を飲みます。便を検査前にきれいに出しきっていないと思っている方は、検査中に便が出たら恥ずかしいなあ、大丈夫かなあと不安になるようでした。

高齢者の中には、便秘症で下剤前処置による便の処置が不十分な方もいます。そうすると、検査中に便や便汁が出て検査用ベッドが汚れることもあります。

大腸カメラ検査中は大腸内をくまなく観察するために、空気を大腸内に送り込みます。これによりガスも出やすくなるのですが、検査中のガスをおならと思う患者さんは恥ずかしいと我慢しがちです。

大腸カメラ検査中も検査後もガスを我慢してしまうと、腹部が張って気分不良の原因となることもあり、本当は我慢しないほうがよいのです。

さらに便やガスの臭いは検査後も検査室に残るため、たくさんの大腸カメラ検査を続けて行う施設では厄介な問題です。

窓のない検査室もよくあるので空気清浄機を設置しているクリニックや医療機関もありますが、なかなか臭い対策は十分とはいえません。

 

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