【前回の記事を読む】世界に誇れる日本の発明は、医療分野でも!実は、日本発の医療機器。大腸がんの検査にも不可欠な、世界をリードする●●とは?
1章 大腸カメラ革命、恥じらい・つらさ・ためらいとはもうおさらば!
1‐4 AIがサポートする最新内視鏡システムで何が変わるか
当院は京都で一番初めに、富士フイルムのCAD EYETMを導入しました。
上部消化管内視鏡は、挿入すると瞬時にAIが病変であろう部分を感知して知らせてくれます。さらに胃内の撮影ができているところとできていないところを自動で感知するようになっており、見落としのないよう胃カメラ検査の補助もしてくれます。
下部消化管内視鏡では病変かもしれない部位を自動感知するだけでなく、腫瘍性病変かそうでない病変かを瞬時に知らせてくれ、診断補助までしてくれる内視鏡支援ソフトになっています。病変検知能力が高く、時として内視鏡施行医より先に検知することもあります。
AIを用いた診断補助ツールはより性能が上がり、正確な診断ができるように今後もバージョンアップし、進化していくことが予想されています。
AIを用いると、大腸ポリープのことを指す腺腫の発見率ADR(Adenoma Detection Rate)が向上して、病気の見落としが減るといわれています。AIはヒトと違って疲れないため、内視鏡医の経験値不足や疲れによる集中力低下を補ってくれることも期待できます。
実際に内視鏡AI補助診断を使ってみると、内視鏡医の教育・トレーニングに役立つツールだと感じました。熟練した内視鏡専門医には必要のないシステムにも思えましたが、内視鏡医としての寿命が10年は延びたという感想を抱きました。
というのは、内視鏡医が老眼になって内視鏡画面が見えにくくなったり、集中力の持続が長時間難しくなっても、AIが見落としのないように診断をサポートしてくれるからです。いち早くAIを導入した今では、AI補助診断が的確で病変の見落としがなくなることにつながっていることから、大腸カメラを受けられる患者さんへのメリットはとても大きいと感じています。
京都大学消化管外科小濱和貴教授とお話する機会がありますが、外科分野ではロボット手術が導入されています。外科手術用ロボットには手振れ補正機能がついており、画面も3Dで拡大して座って手術ができるようになったので、外科医として活躍できる期間が延びたという感想を聞きました。内視鏡医も同じ感想です。