【前回の記事を読む】プラスチック製も金属製も技術向上で精巧化が進んだため、分解の際には綿密な事前準備と細心の注意を

第6章 デジタル制御(デジタルコマンドコントロール;Digital Command Control・DCC、鉄道模型をデジタル信号で遠隔制御するための方式)

6.1 DCC デコーダの使用例

DCCは、第4章でも記しましたように全米鉄道模型協会NMRA規格で標準化されているアメリカの鉄道模型統一規格です。

ヨーロッパ の鉄道模型規格であるNEM規格もNMRAのDCC規格に追従し、NMRA規格が事実上の世界標準となりました。独自方式であるメルクリン社のメルクリンデジタルを除き、各社ともにNMRA規格に従った互換性のある製品を発売するようになっています。

DCC Working Group(https://www.nmra.org/dcc-working-group) に概要が紹介されていますので参照ください。

しかし、ここでは基本的な赤外線リモコンを使ってアドレス制御方式の入出力やコマンド関係の仕様についてのみ規制しており、施行細則は各メーカーで異なっています。

最近では無線方式も増えています。また、スマートフォンにアプリをダウンロードしてWi-Fi経由で制御する方法が増えてきました。

このシステムの概要ですが、全般的には同一線路内での複数車輛の走行、点灯だけでなくサウンドレコーダーICも組み込まれ、またUSAでは無線制御する、あるいはレイアウト内のターンテーブルやポイントなども制御するメーカーもあって実際の使用は大きく枝分かれしています。

また最近ではDCC/アナログDCの両制御できるメーカーも増えて今までのパワーパック電源で走行できるデコーダーを備えた車輛もあります。

欧米では、Lenz、Digitrax、NCE、NGDCC、Soundtrax、ESU、MRCなど多くのメーカーがあります。

国内ではKATOがDigitrax製デコーダを取り入れて簡単に車輛に組み込むことができるように展開しています。なお、天賞堂製カンタムサウンド・システムは通常のDC電源を用いて専用のコントローラーで制御するなど少し仕様が異なります。

では通常のDC電源駆動の車輛をDCC化するにはどうするかについて記します。