当時の厚労省案に問題があるとの保岡興治元法務大臣の飛び入り発言があったのも鹿児島である。「医療事故調査制度の施行に係る検討会」とりまとめをそのまま省令・通知にすることが明確になったのも、鹿児島での土生栄二総務課長講演であった。
現場の医療を守る会と日本医療法人協会が医療事故調査制度についてコラボすることを決めたのも鹿児島である。医療事故調査制度と医師法第 21条に関し、鹿児島で多くの新たな進展があった。
改訂版序文
2023年には、再び、医療事故調査制度に関わる多くの問題が発生した。これらの原因は医療事故調査制度の誤解にあり、誤解を招くような研修を繰り返している日本医療安全調査機構に責任がある。
医療事故調査制度創設時に立ち返り、正確な制度理解をすべきことを担当の厚労省医療安全推進・医務指導室と協議を重ね、8月27日、梅木和宣室長、井上清成弁護士と共に、鹿児島で鼎談(ていだん)を行うことにより医療事故調査制度の趣旨の再確認を行った。鹿児島は「事故調の聖地」と言ってもよさそうである。
医療事故調査制度については、2014年6月25日に改正医療法が成立。同年11月14日には、省令・通知作成のための「医療事故調査制度の施行に係る検討会」が開催され、 2015年3月20日には検討会とりまとめ「医療事故調査制度の施行に係る検討」が公表された。
5月8日には、「医療事故調査制度の施行に係る検討」をそのまま反映させた厚労省令100号・医政局長通知が出され、5月25日には、厚労省Q&Aも出されて、医療事故調査制度が創設された。
医療事故調査制度は同年10月1日に施行された。医療事故調査制度は医療法附則第2条第2項の規定により2016年6月24日に「見直し」が行われたが、制度そのものは、われわれの見込みどおり順調に推移していると思われる。