3 経営者の役割と責任
経営の核心は「お客様のために立て替えた金額を適正な手数料と共に回収する」ことにあります。経営者は、この立て替えと回収のサイクルを適切に管理することで、企業の健全性を保ちつつ、持続的な成長を実現する責任があります。
この視点を持つことで、経営者は単なる価格競争や費用削減に終始するのではなく、適正な価格設定と利益の追求を通じて、企業の健全性を維持することができます。
また、従業員の協力を得るための信頼関係の構築も、経営者の重要な役割です。簿記の知識も、経営者が「立替金の視点」をより明確に理解するためのツールとなります。
簿記は経営の本質を表現する「言語」であり、その理解を深めることで、経営者はより効果的な経営判断を下し、企業の成長を促進することが可能です。
4 持続的成長と価値創造
経営とは、立て替え、回収、そして再度の立て替えというサイクルを繰り返すプロセスです。このプロセスを通じて、組織は成長し、進化します。
その中心には常にお客様が存在し、お客様のための価値創造と、その価値の適正な回収が求められます。この視点を忘れずに日々の経営活動に取り組むことで、組織は持続的な成長と発展を遂げることができます。
この実践は経営者の役割であり、その責任でもあります。この理解こそが、すべての経営者にとって成功への鍵となるのです。
第2章 利益の本質とその再定義
この章では、「立替金」という視点から利益を理解することの重要性について解説します。「立替金の視点」を用いることで、ビジネスの現状把握や分析、そして戦略の策定において、具体的で有効な指針を提供します。
この新しい視点を取り入れることで、企業はより正確で効果的な意思決定を行い、事業の利益を最大化するための道筋を見つけることができます。
1 利益の基本的な考え方
利益とは、第1章「経営の本質」で説明した定義に基づき、次のように表されます。差額(利益)=立替金の回収(売上) 立替金の支出(費用)
この式は、企業が利益を生むためには、収入(売上)が支出(費用)を上回る必要があることを示しています。
2 利益に対する誤解とその影響
企業経営において、利益を明確に数値化しないと、利益を上げる行為が「お客様から過剰に利益を搾取している」と誤解されることがあります。さらに深刻なのは、この誤解から生じる状況です。
実際には、企業はお客様のために「立替金の支出(費用)」を行っていますが、それをお客様から「立替金の回収(売上)」として取り戻せない場合、すなわち赤字である場合でも、企業は罪悪感を感じてしまい、適正な価格設定や交渉ができなくなることがあります。
このような問題は、「立替金の視点」が欠けているために発生します。
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