【前回の記事を読む】利益が出ていないだけで、価格の引き上げや過度な効率化を進めるのはリスキー!「利益の本質」を理解することの重要性

第3章 「貸借対照表」と「損益計算書」の再解釈

多くの人は決算書を「損益計算書」が「売上」と「費用」を計算し、その結果を利益として表示するもの、「貸借対照表」が「資産」「負債」「純資産」の現状を示すものとして理解しています。

これは会計の基本的な理解であり、間違ってはいません。

しかし、「立替金の視点」からこれらの会計報告書を解釈することが、経営者やビジネスマネージャーにとっては非常に重要です。

すなわち、企業は立替金を支出し、その後の営業活動で立替金を回収し、その差額が利益となるという視点です。

この視点を持つことで、決算書の各項目が実際の経営活動とどのように連動しているか、資金の調達や運用がどのように表現されているかをより深く理解することができます。これにより、より具体的な経営判断や戦略的な意思決定に活用できるようになるのです。

残念ながら、多くの経営者や経営コンサルタント、金融機関の専門家たちは、この「立替金の視点」を持っていないため、決算書の真の意味を十分に理解し、活用できていない可能性があります。

この状況を改善するためには、「立替金の視点」を持つことの重要性を広く認識する必要があります。

次に、「立替金の視点」から「貸借対照表」と「損益計算書」をどのように解釈するかについて、詳しく説明していきます。