私は復職して一ヶ月で退職届を出しました。公務員だったこともあり収入面に関しては安定はしていましたし、病気を抱えていて次の職場が見つかるのか不安もありましたが、自らの心と身体を犠牲にしてまで、その安定にすがりつくことが私にはできませんでした。
最初の職場では苦しい経験が多く、身体的にも精神的にも辛い期間ではありましたが、そんな職場で約三年間勤務することができたのは、同期や部署を越えた方々が、いつも周りで支えてくれたおかげです。
どのように支えてくれたのかを説明するといっても、特別変わったことをして支えてくれたわけではありません。
眠そうにしている私を見て「大丈夫?」「少し休んだら?」と声をかけてくれたり、休日の前の仕事終わりに一緒に飲みに行って悩みを聞いてくれたりと、普通の会社員がお互いに支え合うように普通のことをしてくれました。
仕事で眠くなってしまって迷惑をかける可能性があることは十分に理解していますが、少しの仮眠さえ許してくれれば、他の人と同じように働けるということを伝えていたので、上司や先輩には「病気を理解しろ」とは言いませんが、しっかり私の声を聞いて欲しかったと思います。
ナルコレプシーに対する対応として、求めることは患者さんによって異なると思いますが、私は仮眠の時間を(できれば場所も)確保していただけるだけでとても救われます。
あとは、眠そうな時に声をかける(人によっては起こさず見守ってという方もいます)など、決して難しいことではないはずです。もしそれが叶っていたのなら、病院での勤務を再び頑張ることができたかもしれません。
退職してから、すぐに私にとって次のターニングポイントがやって来ました。
それは理学療法士の方が発起人となって企画し、市を巻き込んで開催した大きなイベントでした。その方と偶然知り合ったことがきっかけで、イベントスタッフを手伝うことになったのです。