【前回記事を読む】復職後すぐ「ナルコレプシーと私」というプレゼンをした。改めて頑張りたかった。しかし、上司や先輩は私の声を聞いてくれず…

かっこ悪い自分からの卒業

最初の職場を悔いなく辞めましたが、現実問題として次の仕事を探さなければなりません。このままでは生活できないのが現実です。仕事を探していて、ナルコレプシーのことを伝えると多くの場合が難色を示し、内定をいただいたあとに取り消されたこともありました。

当然、予想できていたことでしたが、社会の中で障害を抱えていることが、こんなにも生きづらいものなんだと、強く実感しました。

人を雇う側の立場にある企業としてみれば責任も生じる大きなことなので、決して恨んでいるとか憎いといった感情は一切ありません。しかし、ナルコレプシーを一生背負って生きていくのだと、一気に現実に引き戻されました。

そんな時に、次の職場となる企業で働いている方とお会いしました。私の理想の働き方を話すと真剣に話を聞いていただけ、ナルコレプシーについても真剣に対応策を考えていただきました。私と真剣に向き合っていただける姿勢は私には十分に伝わってきました。例えそれが初対面故のリップサービスだったとしても、本気でこの職場、その方と一緒に働きたいと思えたのです。

二つ目の職場へ就職した私はデイサービスに配属され、病院とはまったく異なった環境で働くことになりました。責任者の役職こそつきませんが、転職してすぐ施設管理を任せていただきました。

私がデイサービスを希望していたのは、病院で十分に達成できなかった「障害を諦める理由にしない」を実現できるという理由があります。お客様は日常生活を送る上で介護が必要になり、デイサービスを利用されています。そのため本当はやりたいことでも遠慮しているという方は多くいます。

そんなデイサービスで様々な体験ができれば、きっと楽しんで利用いただけると思い、時間を惜しまずに働きました。

実際に特別企画として、その当時としては珍しい様々なイベント、例えば片道一時間以上かけ丸一日使ったおでかけレクや、近所にある猫カフェ、バラエティ番組『TVチャンピオン』優勝者のお茶屋さんを招待したお茶の入れ方体験など、普段体験できないようなイベントを毎月開催しました。

「次はどんなことするの?」とお客様から興味をもたれ、大変ご好評いただきました。やりがいをとても感じていましたし、その他の業務に関しても職場で日付をまたぐことや泊まり込みで仕事をすることもありました。