【前回の記事を読む】【製造業DX】さまざまなフォーマットが乱立する中、部門間のデータ流通…「デジタル家内制手工業」から脱却する方法とは?
第2章 ものづくり白書からDXを読み解く
「製造業DX× 3D」を加速する3Dデジタルツインとは?
設計の3Dモデルを軽量化して、3Dデジタルツインにあらゆる情報を集約していく。
アナログ製造業の根幹である現物と図面にある情報をすべてXVLに集約して、組織間を流通させ、すでに存在する部品表情報や工程情報、属性情報を自動統合していけば、3Dデータの価値はどんどんと上がっていく。3Dモデルに動きのメカニズムを付ければ、動的な干渉チェックで設計検討可能だ(QR04)。

図2-5 現物と図面を置き換える3 D デジタルツイン

QR04:3Dデジタルツインの例
超簡単に思い通りに動く機構を実現する
XVL~CADは3Dモデルを作る、XVLは動きを見せる
超簡単に思い通りに動く機構を実現する
XVL~CADは3Dモデルを作る、XVLは動きを見せる
これまで膨大な手間をかけて作成していた作業指示書やQC工程表、検査帳票は自動的に生成され、手作業により混入していた間違いもなくなり品質が向上する。3Dデジタルツインを利用して擦り合わせを行い、価値ある3D情報へアクセス可能にすることで現場力を引き出すのである。
このような3Dデジタルツインの情報パイプラインを構築することで、製造業DXを実現していくことができる。

図2-6 3 D デジタルツイン情報の流通で実現する製造業のDX
この3DデジタルツインであるXVLフォーマットが部門を超えて流通することで、生産技術のDX(以下、生技DX)、工場のDX、サービスのDXが実現できてくる。このデータの流れをXVLパイプラインと呼んでいる。