【前回の記事を読む】私が息子に買い与えたマンションに、ペルーの女が転がり込んだ。…二人が一緒になって3年、息子だけがマンションを出た。
第六章 2016年
1月17日(日)
この10日余り温暖な好天が続いている。この10日余りを、メモ風に綴っておく。
1月4日
昨日3日、サウジアラビアがイランとの国交を断絶した。
1月5日
私にとっての「仕事始め」A市へ行く。良子がお茶を点ててくれた。お得意先にお年始回り。この日、A市泊。1月6日社員に新年の朝礼をして、直ちに東京へ戻る。
東京事務所はこの20年、仕事始めの前日に良子と来て、我が家の花を生けた。花材は決まっていて、蝋梅、椿(あけぼの)、水仙である。
水盤は会社に置いてある。結構豪華なもので、蝋梅の香りが部屋に広がって、正月にふさわしい。それが今年は途切れた。
私は左側鼠径部に“ヘルニア”の発症を自覚した。右側は経験済みなのですぐそれと判断し、慌てることはなかった。三田病院へ連絡、22日の予約を取る。
北朝鮮、水爆実験の実施を声明。
1月7日
大阪へ向かう。途中京都で下り、南座で松竹新喜劇を観る。良い芝居であった。藤山扇治郎が懸命に演じている。久本雅美は快演。小島慶四郎は84歳というが、その張りのある声に感動した。
髙田次郎の柔らかさも味わい深い。渋谷天外はどっしりと受けとめて支える。寛美さんの黄金時代は特別な時代であったが、松竹新喜劇は嬉しいことに、着実に階段を上り始めたようである。