ある年の運動会で、運動会の取り組みを子供たちの遊びから拾う時、観察していた保育士は、空気清浄機から噴き出す風に興味を持った子供たちが、フーセンを何度もその空気清浄機の上に持っていき、フーセンを飛ばして遊んでいることから、自宅から扇風機を持ってきました。

「どうして扇風機があるの?」

と私が不思議に思って尋ねたところ、彼女は、

「よく子供たちが風で色々なモノを飛ばして遊んでいるから、もっと変化をつけて風が作れるんじゃないかと思って」

と答えました。

保育士がきっかけを見逃さず、タイミングよく遊びを展開させていった成果だと思います。風を作って遊ばせて、子供たちはいつも扇風機の前にいました。科学遊びです。STEAM教育3)そのものです。

その年は「風」が運動会のアートのテーマとなりました。リュウが風に乗って飛んでいく表現遊びとなり、赤と青のフーセンをいっぱい膨らませ、うちわで仰いでフーセンを分けていく親子ゲームとなりました。


1)レッジョ・エミリア・アプローチ…アートを楽しんだり、子供が自ら活動テーマやその方法を決めたり、写真や動画などで活動記録を残したりするなど、子供の個性や主体性を大切にし、協調性や自主性をはぐくもうとする教育理念に基づいた教育方法。

2)イエナプラン教育…学校を「生と学びの共同体」と呼び、子供たちがそこで仲間とともに生活しながら社会の一員として市民的行動を練習する場と考えられている。

3 )STEAM教育…理系や文系の枠を横断して学び、問題を見つける力や解決する力をはぐくむアメリカの教育法。「STEAM」は「ステーム」と読み、それぞれが学問領域の頭文字を表している。

 

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