決めたことは意地でもやりとおす

前述のように、日本の会社では社員の一体感が非常に強く、そういったなかで聞くことの一つが、「決めたことは意地でもやりとおす」という社員のマインドセットです。

つまり、会社の経営計画はトップ・マネジメントが一方的に決め、それを下におろしてきたのではなく、ボトム・アップの仕組みを通してみんなで決めたことだ、みんなで決めたことは最後までやりとおすべきだ、という潜在意識を社員が持っているのです。「純粋培養」の産物です。

その結果、ときにつぎのようなことを見聞きすることがあります。すなわちその計画は何年も前に侃々諤々(かんかんがくがく)議論して会社として決定した。計画を達成するべく社員は今まで鋭意努力してきたが、現在は状況が決定当時とかなり変わってしまった。このため、計画を修正しないと多くの無駄が生じる可能性が大きくなっている。

ところがこのような状態になっても、社員は当初の計画を意地でもやり遂げよう、やりぬこうとしている、といったことです。

会社として決定したことは軽々に放棄すべきではなく、徹底的に最後まで努力するべきだ、意地でも完遂しようという社員のマインドセットは、ある意味きわめて重要なことです。そうして努力を重ねるうちにブレイクスルーが見つかり、できそうもないと思っていたことが達成できることもあるでしょう。

一方、いろいろ努力してみたけれども、最終的にその計画を放棄したり、大幅に修正した方がいいこともあるはずです。

外資系ではどうでしょうか。まず言えることは、外資系ではこのような「会社として決めたことは、何がなんでもやりぬく」というマインドセットを持つ社員はほとんどいないことです。会社全体が一丸となって何ごとかに対処する、ということも日本の会社ほどではありません。

 

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