【前回記事を読む】食べる前にダイエットは始まってる? むし歯予防や歯並びを意識することが年齢不詳女子への第一歩に!

お口を覗くと身体の栄養状態が見えてきます

むし歯の餌をコントロールするだけでは…

歯の表面はレンガが積み重なったようになっていますが、歯ぎしりや食いしばることで強い力がかかると、歯がたわみます。すると、歯茎に近いところのレンガが弾け飛びます。そこをゴシゴシと歯磨きを繰り返すことで、歯がむし歯でもないのにしみやすくなります。

前にお話しした、エナメル小柱が短くなるからです。噛み合わせのところがすり減ってくると、こちらも歯がしみやすくなります。歯の表面を覆うエナメル質がすり減り、その下の象牙質が露出すると、知覚過敏の症状が出やすくなります。

刺激を受けやすくなった象牙質から神経に炎症を起こしてしまった場合は、神経を取る治療が必要になることもあります。

すり減りがさらに進むと、噛み合わせのところが平坦になり、噛む能力が落ちます。また、食いしばりや歯ぎしりの癖で噛み方が一定でなくなります。しっかり咀嚼できなくなると、消化にも悪影響が出ます。

すり減り方によっては、歯が尖ってしまい、舌や頬の粘膜を傷つけることもあります。また、被せ物や詰め物が取れやすくなります。

被せ物や詰め物はセメントでつけられています。口の中には常に唾液が巡って湿度があります。熱い、冷たい、甘い、酸っぱいなどの食べ物が入ってきて、温度もpHも変化する、とても過酷な環境です。

さらに歯ぎしりや食いしばりで揺さぶられ続けると、セメントは耐えられません。歯ぎしりや食いしばりで寝ている間にかかる力は、100 kg とも体重の倍以上ともいわれます。その力、自分で意識して出すことはむずかしいことです。