そんなに嬉しいのなら、もっと勉強ができる環境を作ればと思うが、それはしない。成績は勝手に上がる位の認識しかないのだろう。

しかし、父の始めた商売は残念ながら益々繁盛したので私の仕事はどんどん増えた。お客様の買い物、石油、まき、炭、練炭、ヤミ米、プロパンガス、石炭とか氷の配達、店の後片付け等の力仕事だ。当時、電気冷蔵庫はなく、各家庭に氷ボックスがあり1貫目の氷を各家庭に配達をしていた。配達の仕事を手伝うのは嫌いではないが、勉強をする時間がなくなるのが苦しい。

店の休日は1年間で(1月の元旦と2日の)2日間しかない。土曜日、日曜日、祝日も開店しており、ほぼ、年中無休である。学校から帰ると直ぐに声が掛かるし、土曜日の午後(学校は昼まで)、日曜日、祝日は私の労働日である。

夜も遅くまで店を開けているので20時頃から勉強を始めるが、3時間とか4時間しか睡眠が取れない。体力には自信があったが、朝礼の時に寝不足で一度倒れたことがある。暫くすると回復したので軽度の貧血だろう。勿論、誰にも言っていない。

両親は私が遅くまで勉強をしているのは知っていたが、勉強などする必要はないと思っている人たちなので、私の仕事を減らすことはない。我関せずで、お金儲けに必死である。

私としては家事を手伝いながら、自分の夢を追いかける他はない。

 

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