10月24日(土)
山百合とスダチ

先週の日曜日(18日)、日本花卉(二ホンカキ)より届いていた山百合の球根2球を、裏の傾斜地へ植えた。

球根そのものは随分前に予約注文してあったものだが、たまたま良子の手術前に届いた。私は2球の山百合を、良子の手術の無事を祈って植えたのである。無事に育つことを願う。

今日はいっぱいになったスダチを取ろうと思った。例年我が家だけでは使い切れないので人に配る。店のスダチとはレベルの違う芳醇が、喜ばれる。

この家に移って、直ちに植えたのがスダチである。ほんの小さな苗木であった。徳島生まれの人間として、スダチは、なくてはならぬものである。裏の傾斜地の一番上の部分、市道に面した場所に植えた。

既に30数年、毎年、豊かに実る。手入れは一切しない。肥料もやらないし消毒もしない。ほったらかし、完全な無肥料・無農薬である。傾斜地の上部ということで日当たりは最良、余程の適地だったのだろう。

スダチは皮がイノチ、果汁は魚にも豆腐にも漬物にも、何にでも使えるが、皮はまたあらゆるものに使え、美味である。味噌汁、豆腐、野菜サラダ、白飯、ありとあらゆるものに刻み込んで食べる。明らかに喉にも良い。

スダチによらずすべての柑橘類は、皮がイノチであると我が家では思っている。出自の分かった、農薬の恐れがないものは、我が家では徹底的に使う。

収穫そのものは剪定鋏とノコギリで、私が行う。

しかし放り投げることはできないので、下で受けてくれる者が必要である。

良子はとても元気であったし、多少は動いた方が良いと病院からも言われていたので、それを頼んだ。小さい段ボール箱であるが2箱いっぱいに取れた。まだ半分は樹に残っている。

良子に山百合の場所も教えた。

それから私とあい子は芝居見物に出かけ、夜帰ったら、良子に元気がない。顔にマスクをしている。「風邪を引いたみたい」という。私は激しく後悔した。

体調を保っておくことは、病院から強く言われていたのだ。

次回更新は4月8日(火)、20時の予定です。

 

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