【前回の記事を読む】インドネシア第二の都市・東ジャワ州の州都スラバヤ。インドネシアの大阪と言われているがスーツ姿の人を見ることはほとんどない
第四章 スラバヤを楽しむ
スラバヤ旧市街
ジュンバタン・メラから東に進むとキャキャ門という中国風の大きな門があり中華街に入る。中華街と言っても伝統的な中国の建物に入った穀物問屋の倉庫、事務所ばかりで、街は汚く、屋台以外に飲食店は見当たらない。
キャキャ門を通り過ぎて最初の通りを左に曲がりまっすぐ進むと突き当りに細い路地があり、その両側の露天には肉や野菜、菓子などの食料品がずらりと並べられている。そこをさらに奥に進むと、パサール・パベアンという大きな伝統市場に入る。
ジュンバタン・メラから一キロほど北西には「サンプルナの家」というたばこ会社の博物館がある。サンプルナは現在ではフィリップ・モリスの傘下であるが、インドネシア最大のたばこ会社で、創業者一族はインドネシアでも十指に入る富豪である。
この博物館にはクラシックカー、マーチング・バンド用の楽器、コスチューム、ドイツ製の印刷機などサンプルナ家の栄華を彷彿させる物品が数多く展示されている。また、一日三回観光バスによる無料ツアーがあり、旧市街地にある植民地時代の建築物やカンプン(住宅地)を散歩し、インドネシア語と英語でガイドが説明してくれる。
ホテルマジャパヒトスラバヤの中心部にホテルマジャパヒトという歴史ある名門ホテルがある。このホテルは一九一〇年、シンガポールの名門ラッフルズ・ホテルを創設したルーカス・マーティン・サーキーズによって建てられた。
外観は、二階建て、白亜の瀟洒なコロニアル風である。建物の中に入ると、吹き抜けの天井からきらびやかなシャンデリアとゆっくり回るシーリングファンが吊り下げられ、ロビーには黒光りしているクラシックカーが展示されている。
中庭に出ると、手入れされた広々とした芝生に大きな木が植えられ、その中庭をアーチ形の柱廊のある白い二階建ての建物が取り囲んでいる。ここをインドネシアを統治していた軍服を着た背の高いオランダ人が闊歩していたのであろう。