日本人で企業から派遣されている人たちはたいてい授業が終わってから、毎日BIPAの教授による個人レッスンを受けていたが、韓国人はほとんどインドネシア大学の韓国学科の学生に勉強を見てもらっていた。

十二月になると一週間にわたってBIPAⅠの修了試験が行われ、BIPAⅠの修了式の日を迎えた。ここで成績表を渡され、合格発表となる。合格しないとBIPAⅡには進級できず、二回落第すると退学になる。成績表を渡される前に課外活動で練習したガムランの発表があるが、進級できるかどうかわからないので気が気でない。

ガムランの演奏やジャワ舞踊など一通りのイベントが終わると、いよいよ合否の記された成績表が配られる。恐る恐る配られたファイルを開けてみると、リスニングは合格点に達していなかったが、他の科目は合格点を上回っていたので、平均点で合格ラインを越え、BIPAⅠは無事修了できた。成績優秀者は上位十人まで全員の前で名前を呼ばれて表彰されていたが、私は合格できただけで十分であった。

当初はインドネシア留学も半年くらいを想定していたが、求人登録をしていたPT・JACコンサルティングインドネシア(以下JACインドネシア)の担当者から、企業が現地採用社員に求めているのは中級レベル以上なので、少なくともBIPAⅡまでは行った方が良いと言われ、そのまま進級することにした。

二〇一二年一月からBIPAⅡの授業が始まったが、内容は一段と難しくなっていた。リスニングの授業ではカセットテープによるリスニングに加え、ドキュメンタリービデオの視聴が加わり、ストーリーは長くなっている。

しかも、スクリプトが配られない。リーディングもさらにレベルが上がってビジネスや自然科学、地域の伝統や民話がテーマになり、テキストも知らない単語で埋めつくされている。

次回更新は3月16日(日)、18時の予定です。

 

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