1)[日本再建には物作り教育改革が必要] 

私が嘱託で120名の設計業務を指導した当初、設計者は製品の必要機能を抽出せずに形作りを推進しておりました。(管理者は図面を盲サインして不良多発。設計業務を管理していない様子)劣悪な組織と感じました。私は2003年10カ月間の図面検証指導(第一部 6章)により改善をめざし、社内で発生した初期不良を、前年度比 6割強 8219万円も削減させました。

そして指導7年後、設計責任の不良金額を、指導開始当初の 40分の1に激減させました。また車企業で評価する塵埃評価仕様を社内仕様で1桁厳しい値を導入して対策させ、客先受入検査の不良返品率を年間で前年度比 3分の1に低減。その製品を搭載した車が消費者に渡り1年間の修理費用も、企業の全商品合計で前年度比 12.3億円 も削減させました。

日本の設計者・設計管理者教育に重大な欠陥が有ります。

それは設計着手に先立ち、開発品に反映すべき「必要機能を抽出」する習慣が無い事。

競合する他社製品はすべて未実施と推察します。これを抽出しないと開発品に必要な配慮を漏らし品質不良を多発させます。一方、設計管理業務も安易な承認処理で人身事故等の重大事故を発生させる原因になり、管理者の責任はさらに重大です。

工学系大学、高専、工業高校で必要機能抽出を身に付けた人材を育成し、企業に設計、設計管理のできる人材の供給を期待します。また、環境仕様も自社導入規格の妥当性を考え、従来の導入規格を変更する勇気も必要です。

福島の放射性物質汚染も、T電が「津波対策の必要機能」を抽出しない事で発生させました。