【前回の記事を読む】不良品の修理費を12億円/年削減した著者が解説! 量産製品の品質不良を改善したい、設計不良のせいで嵩むコストを削減したいなら…
[第一部]優れたDR体制確立が企業を育てる
(設計・製造業務推進企業への道標)
はじめに
(この本に記載した内容は、全て私個人の責任に帰することを記します)
2024年1月で82歳になりまた。余命も残り少ない今日、子供や孫たちのために何とか日本が少しでも元気に復活して欲しいと考えます。
そこで、私の勤務時代に機構製品開発業務を指導し大きな成果を創出した内容を思い出し、皆さんの助けになればと考え、筆を取りました。
令和に入り「平成の30年間が失敗の時代」という報道に溢れました。確かに携帯音楽プレーヤーなどの開発で世界を魅了したS社から、人々が憧れる新製品の提供は見なくなりました。(そのように感じるものの2020年度純利益1兆1718億円を計上。PS-4他多角化で収益を確保)
T社は米国原発企業WH社買収後に原発事故が起き、その後大損失を発生。買収当時は国も電力の柱と考えていた原発事業も事故発生で全てが狂い、白物家電・パソコン・半導体メモリー事業を売却して東証二部に移行。
3年半後の2021年1月末に東証一部に復帰も分社化で紛糾。SH社は液晶や太陽電池事業に失敗して台湾企業に買収されました。MJ社は1兆円投資の中型旅客機MRJ 開発を断念? N社も苦しみました。
当時G社長の改革は下請けイジメの後、会社資産を横取りして海外逃亡中。IC企業の勢いも消えました。製造業は日本のお米です。
S社は頑張っています。仕事の取組み方を変えて、元気な国になって欲しいと願う次第です。
本書では、私の嘱託時代、120名の設計組織を指導し、大きな成果を出した話からさせていただこうと思います。社員時代は開発部門に在籍しておりました。私が手掛けた4モデルの製品で、競合他社を圧倒した製品開発の話などの詳細を、元勤務先の了解を得て説明します。