【前回の記事を読む】定年後の7年間で品質改革を実現——12億円超のコスト削減を達成した、驚異の設計管理術とは?

1章 嘱託での設計品質改革指導
(優れたDR体制を構築、運用し企業の品質改革を促進)

1章-1 設計者を指導し大きな成果を創出(工業系大学、高専、工業高校の教育不足を痛感)

設計、設計管理業務の進め方を知らない従来の組織。成果は下記の通りです。

① 不良多発 従来の設計組織:設計者は形作り、管理者は図面 盲サインを繰り返す。

指導成果:試作品とプレス部品図面を10カ月間確認し、構造と図面課題を指摘した結果、組織の不良金額を年 8,219万円(6割強)削減。従来の設計業務は無管理状態でした。

② 設計品質 激的改善:設計の節目毎にDRを実施する体制を構築し、設計品質を劇的に改善。

嘱託指導7年、当初の不良金額 13,369万円⇒341万円。不良金額を約40分の1に減少。

③ 米国市場「車載オーディオ」分野:顧客満足度調査で断トツの「JDパワーNo.1」を獲得

従来の問題点:車両の火災発生防止に 製品のIC発熱を車外に排出する必要があり、外気を取り込み冷却する。すると、大気中の塵埃が徐々にレンズやDiscを汚し読めなくなり利用者は困る。特にレンタカーで旅行中のナビ故障は、旅行出来なくなる恐れが有る。

対策:塵埃濃度 10倍仕様を導入。DRで対策拒否設計者に解決策を提案し構造対策を導入。

結果:客先の受入れ検査不良品返品率を年3分の1に減少。対策品搭載車の市販1年後、会社全商品の修理費用集計で前年度比12.3億円減と、ほぼ半減する成果が得られた。

塵埃問題は地球温暖化、大陸砂漠化で加速。CD、DVD生産が続く限り長期間故障せず、修理費用は大幅に低減します。その後、車載製品の品質保証期間も1年⇒3年に延長されましたが、修理費用増大は別の商品のはず従来なら激増したはずの修理費用は確実に減少します。

しかしながら比較するものは無く、利用者はその効果に気付かないものです。