【前回の記事を読む】コスト削減が企業の命取り?――小さな変更が死亡事故にまで発展した大企業の高額損失事例
[本書の概要]
4)[差別化製品を開発する手法]
(競合他社製品から大きく差別化した製品開発の事例)
(1).「車載用CD、DVD 製品の塵埃対策」
(車塵埃仕様の10倍仕様を導入し市場不良を激減)
自動車企業で要求する塵埃評価基準濃度を社内仕様で10倍に変更し対策導入したことで、客先受入検査不良返品率を前年度の 3分の1に削減させ、さらに翌年、対策品搭載車販売1年間の市場不良修理金額を(カセット製品は米国の食習慣に伴う糖類付着で不良多発中)企業全商品で年に12.3億円減とほぼ半減させました(USカーオーディオ分野でJDパワー断トツNO.1獲得)。
この成果確認後に車載品の1年→3年保証も発生しました(私は既に退社し3年保証の品質状況は不明)。ディスク挿入口など、大きな開口部のあるレンズ付メカ機構内部に、汚れた大気を通過させないように構造配慮した対策は、さらなる効果増大が望めます。
地球温暖化で砂漠化が加速する米国、中国他 大陸乾燥地帯では猛烈な砂嵐が発生します。車は砂嵐中でも移動します。この時ナビやカーステレオの不良発生を防ぐ対策導入です。ナビを頼りに移動している運転者には、ナビの故障は重大問題です。
ナビやカーオーディオなどの電装品にはディスク挿入の開口部が必要です。大きな開口部が存在してもレンズの有るメカ機構内部に、外気を侵入させない構造を導入させたのです。
(設計者は対策出来ず仕様変更を拒否。私が構造変更案を提案して解決させました)
第一部4章-6に記載『コップの理論』を参照下さい。対策前は塵埃評価開始 即再生動作停止の状態でしたが、対策後は記録密度6倍、倍速回転する DVDでもまったく問題無く再生します。
激しい砂嵐の中で走行しても、また、車の3年保証体制が導入されても故障の少ない製品になったはず。利用者には地球温暖化でも環境悪化に強い信頼性確保の商品は嬉しいはずです。