1章 嘱託での設計品質改革指導
(優れたDR体制を構築、運用し企業の品質改革を促進)

私は多くの自動車企業を顧客に持ちオーディオやナビ製品を設計・製造・販売する会社に60歳定年まで勤務し、メカ製品開発を推進しました。

2002年3月の定年後は、嘱託として7年間 120名の意匠筐体設計組織を指導し、前頁に記載の成果を創出しました。

企業は商品の不良発生を減少させたいと望みます。でも不良が発生する事は避けられない、人間は間違います。

しかし、同じ間違いを繰り返すことは許されません。再発防止体制、つまり優れたDR体制確立が必要です。不良発生は設計のどの節目で何を漏らしたかを気付かせる。

それには、設計に先立ち開発品に必要な機能を漏らさず抽出する(4章-3)。次に開発工程順に設計内容を審査し、設計配慮漏れ項目を指摘する。これが優れたDR体制確立の方法です。

審査側も時に指摘漏れを発生させます。指摘漏れも含め発生したすべての不良を、設計のどの節目で何を漏らして発生させたのかを振り返りDR体制を補正すると、補正以後に開発する製品の設計配慮漏れ、つまり不良再発を防げます。品質維持体制に変化するのです。

皆さんの中に設計業務で同類の不良問題を繰り返し発生させている人はいませんか?

こんな事を書く私も昔、同じ不良問題を繰り返し発生させました。不良品修理に加え設計組織全体でDR体制の不備箇所を明確にして補正し、DR体制を育てる積重ねが必要です。

 

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