なぜなら、基本的に肉体労働に向いている人は、元から体力がある人なのだ。冷暖房など環境が整っている中で1時間筋トレをするのと、厳しい環境やストレス下で頭と身体を長時間酷使する仕事は、全くの別物なのだ。
これまであなたの周りにいた、バイタリティーのある人、仕事で成果を上げている人を想像して欲しい。
彼ら彼女らの多くは、元から体力があったはずだ。勉強や部活を頑張ったから、仕事を頑張ったからではなく、元からある程度恵まれた体力を持っていて、それをさらに努力で高めたに過ぎない。
そして、もし彼ら彼女らが、筋トレを始めて、食事を改善していけば、仕事の成果、生活の活力は、さらにさらに上がるだろう。
仕事の筋肉は、仕事でのみ鍛えられる。
生活の筋肉は、生活の中でのみ鍛えられる。
こういう結論になる。
恵まれた頭や身体を持った人たちに、今から筋トレで追いつけるかと聞かれれば、そうではないのである。
「世の中って不平等だなあ」
残念ながら、それは本当にその通りだ。人はそれぞれスタート地点が違う。先に走っていく人に、今まで止まっていたあなたは追いつけないだろう。
しかし、それがなんだ?
あなたの望みは、先を行く人々を追い越すことではないだろう。
「毎日を楽しいと思いたい」「布団に入ったら、そのまま朝までぐっすり眠りたい」
これが第一のはずだ。
自分が楽しければ、他のみんなが楽しそうにしていても、どうでもよくなる。みんなが楽しそうで、テレビから楽しげな音楽や笑いが流れ出していても、「でも自分も楽しいから」と思って劣等感や焦燥感に駆られることはなくなるのである。
つまり「筋トレは何も解決しない」。
しかし「筋トレであなたは楽しくなれる」。
だから私は、「筋トレは人生の役に立つ」とあなたに伝える。「とりあえず筋トレしろ」と提唱するのだ。もう既にやる気になった方は、次のページは飛ばして、3章「はじめの一歩」を読んで、筋トレを始めて欲しい。
しかし、まだ「でも筋トレしたことないしなあ」「ネットを見てダラダラしていたい」と思っているなら、次のページを読んで欲しい。
次回更新は3月10日(月)、11時の予定です。
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