「それがどうした」と言われればそれまでである。しかし、筋トレを続けた私には、筋肉の他に「やればできるという自信」「それなりのコミュニケーションをしてきた経験」「当たって砕けなかった経験」などが残った。

筋肉では金は稼げないが、しかし、上記の筋トレの副産物のお蔭で、私はいま、筋トレを続けながら、適度に仕事をし、人生を楽しんでいる。筋トレは全部を解決しない。しかし、ある程度は効果がある。

なによりも、いま「灰色の人生」を送っているのなら、それが虹色には確変しなくとも、ちょっとばかり輝いたり、自分の人生は灰色だということを忘れることができる。それが筋トレの効果である。

「それって具体的になんなの?」

そう訊かれたら、「ホルモンの効果」と私はまず回答する。

1-2.別に知らなくていい「筋トレの科学」

筋トレをすると、さまざまなホルモンの分泌が高まる。今からそれを説明するが、これは別に知らなくていい。理屈が分からないと筋トレを始めたくない、という人だけ読んでみて欲しい。

「とにかく筋トレしろ!」と言われて「じゃあやってみよう」と思える人は特に知らなくていい知識だ。だが、「筋トレは効果がある」と学術面から信じたいなら、一応目を通しておこう。

以下は、筋トレによって分泌が高まるホルモンである

●テストステロン

やる気や活力をアップ。男性の更年期障害への治療として、このテストステロンの注射が行われることもある。

しかし、わざわざ病院に通って高額な自費診療費を支払う必要はない。ただ筋トレすればいいのだ。それだけでテストステロンは高まり、やる気が湧き上がってくる。

●アドレナリン

血管が拡張されて、脳の集中力、身体のパフォーマンスが高まる。ダンベルを上げたその瞬間から、あなたの戦闘力のスカウターは上昇し始める。