Chapter3 被害状況と復興
商業施設ごとに見る被害状況
スーパーマーケット
イトーヨーカドー系は震災翌日から店頭にて営業した(広報担当談)。各地元のスーパーの半数の店も店頭にて営業していた。震災後1週間から10日間は毎日早朝から食料を求める250人超の長蛇の列を目視。後、数十人の列が3月下旬まで続いた。
商品を買占める姿は見られない。お互いの視線が冷静な行動を促したのではないだろうか。日本人は凄いと実感する。まずは食料と日用品の対応が重要だ。
2014年7月、イオン系は陸前高田市にイオンスーパーセンターをオープンさせ、SC全体で170名の雇用を被災地にもたらした。テナント8店舗中5店舗は岩手県内企業を、うち2店舗は陸前高田市に本社を構える企業を誘致した。震災直後から移動販売(訪問販売)をすすめ、その後地域の要望を受ける形で陸前高田衣料館をオープンし、被災地に多大な貢献をしている。
復興の先が見えない状況下で、大手商業施設が復興のために出店し雇用ももたらしたことで、市民を勇気づけた。市民は日常生活に必要な品物をスーパーマーケットに期待して、集まっていた。
大型ショッピングセンター
多くのテナントを抱えている分だけ足並み揃えた営業ができず、再開の遅れが目立つ。平坦地を求める大型店舗は開発しやすい水田を埋めた軟弱地盤に建築された商業施設が多く、地盤沈下が見られる。駐車場のひび割れや建築の破壊、エスカレーターの脱落もあった。大きな歪みが生じた建物は入店禁止建築物として扱われた。